SAJ公認大会にも影響する?国際スキー連盟(FIS)が2015−2016W杯から適用予定の新ルールをヨーロッパカップでテスト。

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私のブログを普段から見ている人は既に知っているかと思いますが、6月5日に国際スキー連盟(FIS)が新ルールをテストするという話をしました。

もしワールドカップで採用された場合、1966年8月11日のスキーワールドカップ宣言以降、最大のルール変更となります。

簡単に言うと
1.長年採用された2本制の合計タイムで競うアルペンスキールールは今シーズンで幕を閉じる(かも)
2.場合によっては2本目30位の選手からスタートする30リバースルールも終わる(かも)
3.オリンピックよりレベルの高いプレミアリーグ構想の実現。これにより脱オリンピックというか、スキー選手に新たな価値を生み出すかもしれない。プロ化の推進とか。(上位15人のみが出場できる決勝ラウンドがまさにここ)
4.放映権が3つに分けて販売されるかも。(予選はインターネット無料放送とか、安い価格で提供し、準決勝、決勝は値上げとか有り得るかも。インターネット時代の放送システムを前々からFISは考えていましたし、エジプトにもスキー場建設の話があるので、マーケット拡大をしつつ放映権もしっかり取るというビジネスシステムへのシフトチェンジではないかと思われます。スキーヤーが増えればそれだけ世界市場は大きくなり、なおかつワールドカップの価値も上昇するというカラクリを作るのではないかと思います。)

というお話です。おそらく近代のアルペンスキールールで1番の変化となる可能性になるので、ぜひ目を通しておいてください。日本のレースにも影響を与えるかもしれません。

以下は新ルールです。

第1ステージ「予選」:ワールドカップに出場する全選手がエントリー。
第2ステージ「準決勝」:予選30位以内に入った選手のみが出場できる。ここから決勝に出れるのは上位15人のみ
第3ステージ:「決勝」:上位15人のみでレースをする。

これを今シーズンのヨーロッパカップでテストされ、新しいフォーマットを国際スキー連盟はテストすると発表しています。しかもこれはテレビで全て生中継される予定ということで、スキー先進国ヨーロッパではワールドカップ以上に注目されるレースとなっています。(YouTubeなどで動画が上がったらこのブログでも紹介しますね。気になる人はフェイスブックツイッターGoogle+、ブックマークへの登録をしておいてくださいね)

期日と場所は以下の通りです。

スプリントレース1回目のテスト
開催日:2014年12月18日、19日
場所:Pozza di Fassa(イタリア)
種目:男子回転、男子大回転

スプリントレース2回目のテスト
開催日:2015年1月26日、27日
場所:Lelex(フランス)
種目:男子大回転

スプリントレース3回目のテスト
開催日:2015年2月4日、5日
場所:San Candido(イタリア)
種目:女子回転、女子大回転

新ルール適用という数少ない機会ですので、日本人選手はもちろん、ワールドカップ選手もおそらく出場するのではないかと思っているのですが、6月に決まったこの新ルールを12月、1月、2月と毎月テストし、好評であれば2015−2016シーズンのワールドカップからも組み込まれる予定ということです。

名称は「スプリントレース」という名前を欧米では使っているようで、予選を導入することで「一発勝負感」がより増すため、応援する側も選手も「燃えまくる」という仕組みで、よりアルペンスキーというスポーツがスリリングで緊張感が増し、面白くなるのではないかと思います。

新ルールは日本人選手の今のレベルではより厳しい戦いになる

このルールは

「スキー大国ヨーロッパのアウエーの洗礼」

ではないかと私は見ています。

ジャンプ競技もそうですが、日本人やアメリカ人が勝つと必ずルールやマテリアル基準変更をし、ヨーロッパ人に有利な展開に持っていきます。ソチ五輪男子回転の2本目はその典型ですが、ここ最近の技術系種目を見るとテッド・リゲティを除き、ほぼ上位15人はヨーロッパの選手となっています。

準決勝に進出するには今まで通り30位以内に入ることが条件ですが、当然、準決勝、決勝とステージが上がればより難しいセットになることも考えられます。おそらく個人的な予想では

「ヨーロッパ人に有利なセットを立てるはず」

そう見ています。

バーンコンディションも当然良いわけで、難しいセットにしても人数が少ないので、公平性が保たれます。ですが、だんだんとテクニカルになれば日本人には不利に働く可能性もないわけではありません。なので、日本人選手の課題としては

1.ソチ五輪男子回転2本目のようなテクニカルなセットでも対応できるようにしておくこと。(ソチ五輪のときに書きましたが、場合によってはあれが今後のスタンダードになる可能性もあると言いました。世界中が注目する数少ない機会に、あれだけ難しいセットにしたのには何らかの意図やメッセージがあると見ています。難しいセットに対する世界の反応を見たかったという可能性もあると思うのです。何もなかったりして・・・^^;)
2.攻め方のバリエーションを増やすこと
3.インスペクションの強化

の3点は課題ではないかと思います。

これはワールドカップに限らず、ローカル大会でも言えることですが、難しいセットというのは必ずリズムが変わってきます。完走者30人とかのレースも経験しましたが、だいたい同じターン弧で入った選手、ストックを使わない選手は外足に加重がかかりすぎているので、いざというときのリカバリーが遅くなることが多々あります。また、日本人が特に弱いのはインスペクションでしょう。

45分なら45分ギリギリまで使ってしっかり戦略を立てる、ポールを見極めることが今後ますます重要になってくる

と思います。

ピョンチャン五輪に向けて国際スキー連盟はどのようにアルペンのルールを変えるのかはわかりませんが、世界的な流れがまた変わってくる可能性も十分あるわけで、日本としても対策は必須ではないかと思います。

究極の目的はスター選手を生み出すため。事実上のプレミアリーグ構想実現へ

日本のJリーグでも言われていますが、プレミアリーグ構想という言葉をしばしばスポーツ業界では使われます。スキー界でも時々この話題が出てきましたが、事実上これが実現する形となります。おそらく上位15人のレースはとても華やかな扱いになるのではないかと思うのです。つまりこの意味は

「究極のステージ」

という意味で、スター選手揃いにすることでスポーツ自体の注目度を上げるという戦略でもあります。

カービングスキーが登場してから、スター選手が消えた分、いろんな各国の選手が上位に名を連ねました。佐々木明さんもその1人で、3回表彰台に登るという経験をしています。また、このカービング時代には1本目30位の選手から2本目滑るというルールになり、より公平性を強調したレースはできましたが、これは国際スキー連盟のアルペンスキー市場を広める戦略だった可能性も高いでしょう。母国の選手が活躍すれば当然テレビの視聴率や新聞などにアルペン競技が露出します。ですが、反作用として

「スター選手がいなくなった」

のも事実です。

昔はスキーをしない人でも「アルベルト・トンバは知っている」という友人は沢山いました。ですが、ヘルマンマイヤーとかボディミラーを知っている人はさすがにもういません。

国際スキー連盟は長い時を経て再びスター選手を作り出そうとしていると見ています。

「決勝が本当のワールドカップであり、プレミアリーグ」

そういうイメージ戦略を虎視眈々と考えているのではないかと思います。

昔は15リバースシステムで、2本目は15位の選手から滑るものでした。要はスプリントレースという名前を変え、付加価値が増して復活させるということではないかと思います。

日本の全日本スキー連盟公認大会もこのようなシステムになるのかはまだわかりませんが(時間がかかるため)、30位からではなく15位から2本目滑るというルールが復活しても不思議ではないでしょう。または日本一を決める全日本選手権でやるのは面白いのではないかと思います。

また何か動きがあればこのブログでお伝えします。

SNSとブログ別々に違う情報を流すことがあります。両方ご覧下さい。

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ABOUTこの記事をかいた人

旅、本、ブログ運営、アルペンスキーについて書いてる個人の趣味サイトです。ツイッターにはブログノウハウ系のつぶやきもあります。 戦績(公認大会): 大回転9位 回転7位 (基礎スキー検定1級所持) マラソン: 5km:17分24秒 ハーフ:1時間28分52秒 フル:3時46分