男女混合レースを望んだリンゼイ・ボン(HEAD使用)がアルペンスキーワールドカップ女子歴代最多勝利に並ぶ。あとはインゲマル・ステンマルクのみ。

photo credit: U.S. Ski Team via photopin cc

アルペンスキーワールドカップ女子滑降第5戦は18日、イタリアのコルティナダンペッツォで行われ、アメリカのリンゼイ・ボンが優勝し、W杯女子の歴代最多記録となる通算62勝に並びました。今季は絶好調ですので、ワールドレコードが更新されるのは時間の問題でしょう。ちなみに62勝を記録しているのはアンネマリー・モザープレル(オーストリア)で1980年のレークプラシッドオリンピックのシーズンで引退しているので、実に35年ぶりの記録更新がかかっています。

 あと1勝。重圧もかかってくる状況ですが、今どんな心境なのでしょうか。

 ちなみにアルペンスキーワールドカップ全体では、インゲマル・ステンマルクの86勝とかなり離れています。怪我も無く順調に勝ち続ければ、決して夢ではない数字ですが、厳しい数字でもあります。なので改めてここまでのボンの戦績を振り返ってみましょう。

リンゼイ・ボンの優勝履歴
2004−2005:1勝(ダウンヒル1)
2005−2006:3勝(ダウンヒル2勝、スーパーG1勝)
2006−2007:3勝(ダウンヒル2勝、スーパーG1勝)
2007−2008:6勝(ダウンヒル5勝、スーパーコンバインド1勝)
2008−2009:9勝(スラローム2勝、スーパーG4勝、スーパーコンバインド1勝、ダウンヒル2勝)
2009−2010:11勝(ダウンヒル6勝、スーパーG4勝、スーパーコンバインド1勝)
2010−2011:8勝(ダウンヒル3勝、スーパーG4勝、スーパーコンバインド1勝)
2011−2012:12勝(ダウンヒル5勝、スーパーG4勝、GS2勝、スーパーコンバインド1勝)
2012−2013:6勝(ダウンヒル3勝、スーパーG2勝、GS1勝)
怪我の期間約1年
2014−2015:3勝(全てダウンヒルで2015年1月18日現在の数字)

合計62勝

ステンマルクを超えるための条件

幸い、ボンはスピード系の方が得意な選手です。スピード系種目は年齢を重ねた方が有利とも言われ、男子は30歳を過ぎてから勝率が増すことが多いです。ですが、ボンは女性。今後の人生のこともありますし、どういう決断を下すかはわかりませんが、トリノ五輪男子滑降で40歳でトップレベルの滑りをするオーストラリアの選手もいましたので、

「あと5年以上続ける」

のであれば、限りなくステンマルクに近づくことは十分可能ですし、おそらく彼女の実力と年齢から考え

「70勝はいける」

と思います。その先は未知数です。

 もしステンマルクに近づけば、スポーツ業界中から女子のアルペンが注目されるのは間違いないですし、人気も増すはずで、国際スキー連盟としても少しでも長くやってほしい選手のはずです。

 可能性は現段階ではまだ少ないですが、ステンマルクを超えるための条件を簡単にまとめるとこんな感じです。

1.ステンマルクまであと24勝。毎年5勝しても5年はかかるが、5勝が可能なら決して不可能ではない。
2.とにかく怪我をしない

この2点に尽きると思います。

 ボンは昨年の怪我以外は凄く大きな怪我がなく、ここまでコンスタントにスピード系種目で稼いできました。経験値がモノを言う高速系種目ですから、30歳を超えたボンはますます勝率が高くなる可能性もあります。(当然、衰えも出る可能性もありますが、今のところボンと同じレベルの選手は少ないのが現状なので、この状況が続けばまだまだ勝つはずです。)

男子と戦うことを望んだボンのこれから

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photo credit: zennie62 via photopin cc

数年前に国際スキー連盟に対し、「男子のレースで戦いたい」と言ったことは有名で、マスコミもこれを大きく取り上げました。ですが、国際スキー連盟側はこれを拒否。つまり、今の環境ではボンは

「勝利数でしか男子に勝つことを証明できない」

のではないかと思います。

 だとすれば彼女にとっての最大の目標はもう

「ステンマルクしかいない」

ということになります。

「世界一の記録を持つステンマルクを超えれば、女子が世界記録保持者となる」

こう彼女が思っているかはわかりませんが、女子が世界記録を持てば、世間の見る目も変わりますし、W杯通算勝利数が取り上げられるたびにボンの名前が出るので、そのたびに女子が世界一であるということを世界に見せつけることができます。

 女子にもっとフォーカスが当たるよう、おそらく彼女はアルペンスキー女子全体の底上げも頭のどこかにあるはずであり、でないと「男女混合」という言葉も出なかったでしょう。

 道のりは決して甘いものではないですが、できるだけ若いうちに勝ち続けることができれば、次の道が見えてくるはずです。

 妄想が膨らんだ記事になってしまいましたが、ここまで来たら女子では前人未到の

「70勝」

は行ってほしいなと思います。

P.S.ちなみにボンは前回のソチ五輪に出られなかったときに「2018年のピョンチャンは目指す」と言ってますから、順調に行けば75〜80勝近い勝利数になる可能性もあるでしょう。少なくともかなりの年月の間、ボンの名前は語り継がれると思います。

以下はリザルトとレースのダイジェスト動画です。

*リザルトはこちら

 

 

 

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Lindsey Vonn Shows Off Her Hardware

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旅、本、ブログ運営、アルペンスキーについて書いてる個人の趣味サイトです。ツイッターにはブログノウハウ系のつぶやきもあります。 戦績(公認大会): 大回転9位 回転7位 (基礎スキー検定1級所持) マラソン: 5km:17分24秒 ハーフ:1時間28分52秒 フル:3時46分