約1ヶ月でGS1本目73番から9位になったアルペンスキー練習方法

2015年4月10日

photo credit: Ski slalom in La Villa via photopin (license)

もうかなり昔の話であり、この話は5回目の改訂版となるので知っている方も多いかと思います。ですが、今でも役立つ部分はあるかと思うので、書き残しておきます。

なお、この話は以下の練習方法だけで上位に行けるものではありません。私自身の「キッカケ」に過ぎなく、「腰高」になることで急激に成績が伸びていった話です。特に日本人選手は昔から骨格のせいなのかわかりませんが、

「後傾姿勢が多い」

です。これはナショナルスキーチームでも同じで、引退まで治らない選手もいます。なので、スキーの最も基本的な技術「腰の位置」を修正することがどれだけ大事かを書いていきます。

スキー技術で1番重要なのは腰と言っても過言ではない

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photo credit: Oerlikon Swiss Cup final via photopin (license)

初心者だろうが、ワールドカップチャンピオンだろうが、ココが1番大事ではないかと私自身思ってます。それが

「腰のポジション」

です。

試しにその場で体験してもらえればわかるかと思うのですが、

1.棒立ちの状況
2.立ってお尻を前や後ろに傾ける(できればジャンプもその場でやってみる)

そうすると、2番だと地面に対して力が入らないというか、力が伝わらないことがわかるかと思います。また、ジャンプをすると腰が落ちてるとバランスを崩すはずです。当たり前の話ですが、スキーで1番力が伝わるのは

「直立で立っている姿勢」

です。

そして上記の1番と2番の状況でジャンプをすると、直立で立っているポジションが1番安定し、地面に衝撃がいってる(力が伝わってる)ことを理解できるかと思います。

まずは雪上ではなく、自宅で良いのでこのことを実感していただきたいと思います。

具体的な雪上トレーニング方法

まずはポールトレーニングではなく、フリースキーで滑ってみましょう。段階的に解説すると以下のようなトレーニングで腰高になりました。

1.まずは棒立ちでリラックスした状態でフリースキーをする。コツとしては「腰で板を踏む」という感覚が重要。
2.ポールトレーニングの開始。ポールセットはできるだけまっすぐのセットが好ましい。私がやったときは全長300m〜400mの中斜面でした。コーチが下からスタート地点が見えると指導もしやすいかと思います。ウネリはあってもなくても良いですが、無い方が初心者には良いかもしれません。
3.2番で腰高がわかれば、今度はポールセットを

「徐々に振っていくセット」

に変えていきます。

具体的には

・1〜5旗門目くらいはとにかくまっすぐ立てる
・5〜7旗門目以降は徐々に振っていく

というふうにしていくと、選手がどこまで腰高できちんとポジションが安定しているか1回で把握できるようになります。(ポールセットに関しては日本スキー教程のP184に出ています。)

4.できればクローチングで全て滑れるセットにしておく
3番の練習があくまでもベーシックなのですが、うちのスキー部では最初から最後までクローチングで滑ることを命じられました。腕を使わせないことで、上半身の動きを身につけさせるためです。クローチング姿勢のまま振ったポールセットに挑んでいくわけですから、ポジションが後ろのスキー選手は当然途中棄権します。ある程度、腰高のままなおかつ上半身をきちんと使えないとこのセットは完走すらできません。

ちなみに私は少し腰高でクローチングで滑りました。1番近い写真がサンモリッツW杯女子GSにあったので掲載しておきます。

*振ったセットに対してクローチングで滑るには腰の位置を一旦高くし、上体をフォールラインに向けないとゴールできません。イメージとしては腰の位置を高くして上体を少し抱え込む感じといったら良いでしょうか。後半の振ったセットはこんな感じで滑り、大会でも全てこれで滑りました。カービング時代の今では無理な話ですが、スピード系種目やGS初心者に基本を教えるときには今でも使える練習方法でしょう。

*こんな感じで滑りました。1番近いものを選んでいます。クローチングしながら腰を上げるイメージと言えばわかりやすいでしょうか。
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photo credit: Oerlikon Swiss Cup final via photopin (license)

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photo credit: Oerlikon Swiss Cup final via photopin (license)

このポール練習は途中棄権した選手がなぜクローチングで入っていけないのか、なぜ完走できる選手がいるのかもよく見て理解できるので、この練習はいろんな意味で効果があるかと思います。

この練習後、順位が急激に上昇していった

アルペンスキーの基本でもある腰。この部分をしっかりと押さえてから、レースに臨んでいきました。それまではGS50番とかでしたが、2月のサホロGSで20番台前半まで来ることができ、翌月の3月の札幌国際スキー場での公認大会では9位までいきました。

スキーの板をきちんと腰で踏むことができるようになると

・板の走らせ方
・振ったセットでも対応可能

になってくるので、ぜひ雪上で試していただきたいなと思います。

インターハイ予選に1度も出られなかったが、得るものも大きかった。

スキー場旅行記ブログでたまに「私はインターハイには出ていません」と公表していますが、実際は予選すら出たことがありません。そんな私が補欠になってたまたまインターハイ予選の旭川大会(1998年1月カムイスキーリンクス)で人生最初で最後の前走を務めたことがありました。(種目は大回転)

スタートハウスには後に日本人最高回数のW杯表彰台経験者になる当時15歳の佐々木明選手もいて、そんな彼らと同じ土俵で、なおかつ

「第1シードの綺麗なバーン」

でタイムレースができるということで、本番の環境でかつ全員本気で滑ってくるインターハイ予選で自分がナショナルチームメンバーと同じ条件で滑った場合、どこまで近づけるのかという楽しみがありました。(インターハイ予選出場メンバーに選ばれていれば、国内トップレベルの選手達との「本当のタイム差」がわからなかったでしょう。)

*ちなみにこのインターハイ予選の話?を湯浅直樹選手はブログでも書いています。おそらく私が前走を務めたとき、湯浅直樹選手は大会バーンの横でたぶん見ていたと思われます。(その記事がこれです))

私は前走3番スタート。あんなに人に見られる中で滑ったこと無いので、かなり緊張しましたが完走が絶対条件の中、レギュラー落ちした悔しさも込め、できる限りフルアタックで勝負しました。途中、急斜面手前で大きくターンが膨らんで失速しましたが、結果はトップとは3秒差でした。

「なんだGS1本目で3秒も開いたのか」

と思われるかと思いますが、高校1年生のとき、初めて公認大会に出場した国体予選男子大回転(北海道岩内町)ではトップだった岡田利修選手に10秒差でしたから、旭川のインターハイ予選でトップと3秒差まで来て、このとき初めて全日本選手権を意識したことを今でも覚えています。

ちなみに全日本選手権は2本滑りますから、仮にもし私が出ていたとすれば、旭川に出ていた頃のレベルならおそらく6秒〜8秒差は付いていたものと思われます。順位的には50位から70位くらいでしょうか。(2016全日本選手権リザルトはこちら)あまり当てにならない数字ですが、旭川の経験のあとに上記の練習をし、インターハイGS30位以内の選手達と互角のタイムを出せたことは、インターハイに出場できなかった私が唯一納得できたレースとなりました。

ゼッケンが後ろの選手はチャンスを狙うこと。

旭川での貴重な経験をし、コーチが作った上記の練習メニューを始めたての頃、

「普段はゼッケン50番以降だが、インターハイ予選前走のときと同じような綺麗バーンならトップ20までいけるのではないか。そういった掘れにくいセットが立つスキー場で一発が狙えないか」

そう考えました。

結果、頭に浮かんだのは緩斜面が圧倒的に多い札幌国際スキー場(3月)でした。アルペンスキーは当たり前の話ですが緩斜面のほうがまっすぐなポールセットが立ちやすいです。なのでここで上位にいくこと、そして前哨戦として2月のサホロで札幌国際でのレースを想定した滑りを実践すること。こういった流れが頭に浮かびました。

結果はサホロでは20番台前半まで順位が上昇し、狙いにいった札幌国際では73番から9位になりました。タイム差を見て「高校最後のレースでようやくインターハイレベルになったかな〜」と思い、納得して大学へと進学しました。

ゼッケンが50番より後ろの選手の人達に言いたいのは、

「綺麗なバーンだとそこまで上位と差がないかもしれない」

ということです。

あまりにも掘れている場合は考えものですが、守っても一生タイムは出ません。怪我をしてでも狙っていくべきであり、上位にいく選手達ほど怪我が多いもの。そのくらいの気持ちを持って攻めて欲しいなと思います。

 


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