動画:アルペンスキーにおけるライン取りの重要性。腰高VS雪煙が少ない滑りどっちが速い?

2016年3月9日

アルペンスキー競技において基本となるテクニックがあります。それは

1.腰高
2.早いターン始動

これはどの種目にも共通していますが、あくまでも基本であり、この2つを意識して滑れば無難に滑ることができます。ですが、筋力やテクニックのレベル、ポールセット、当日の雪面状況によってケースバイケースで考えないといけないのがアルペンスキーなので、参考程度に見てもらればと思います。

今回は技術系スペシャリストのマルセル・ヒルシャーと湯沢・苗場のワールドカップ以降GSで連勝をしたアレクシス・パンテューロをちょっと比較してみたいと思います。

パンテューロが速くなったのか。それともヒルシャーの方が遅くなったのか。

以下のアルペンスキー動画は2人の差が1秒以内なので、ミスを挙げればキリがないのです。ただ1つ確実に言えるのは

「ヒルシャーのラインが下がった?」

という感じがします。

個人的にパンテューロの調子が良いというよりも、最大のライバルであるヒルシャーの調子が湯沢以降、明らかにおかしくなったという印象を持っています。

日本のワールドカップを見た方はおわかりかと思うのですが、ヒルシャーはまったく良いところを見せれずに帰国しました。逆に、アジアのレースで調子を上げたのはパンテューロで、湯沢以降GS4連勝をしています。先日のクラニスカ・ゴラでようやくヒルシャーが優勝し調子を取り戻した感じもありますが、パンテューロもしっかりと2位の位置をキープしました。つまり調子は落ちていないわけです。ヒルシャーも上位をキープしていますが、湯沢の前までは2位に1秒近く差をつけていたのにも関わらず、今度は逆に1秒近く付けられるという展開になっているのも気になっていました。

*2人の滑りを比較する動画がYouTubeにあったので、参考にしてみてください。

2人の印象

2人はある意味で対照的な選手と言えます。簡単にまとめると以下のような印象を個人的には持っています。

パンテューロの滑りの特徴

腰高の選手。昔ながらのオーソドックス(*1)な滑りに近いかも。いわゆる「早めにターンし、ポールが過ぎたところでターンが終わっている」というスタイル。ヒルシャーに比べ、腰が上がる分、頭の位置が高く、上に力が逃げている場面もある。ただ、腰高な分、ラインはヒルシャーに比べ上から入っている印象。

ここで言う「オーソドックスな滑り」とは上記にもあるように、早めにターンし、ポールが過ぎたところで終わる」ということを指します。アルペン競技において最も基礎的な考え方で捉えてください。

ヒルシャーの滑りの特徴

スキー板をたわませて、板の性能と自分のフィジカル能力をフルに生かして、できるだけ雪煙をあげず、直線的に滑る今風の選手。なのでラインが多少下になっても板が走っているのであまりタイム差は広がらない。頭の位置がほとんど変わらず、上に力が抜ける場面が少ないという場面も随所に見られる。ただ、ヒルシャーは内脚に乗りすぎて、外足が逃げるという場面がたまに見られる。(短所を治すより長所をフルに生かしたほうがアルペンは速い?)

といった印象があります。

アルペンスキー競技はコーチ次第でガラリと滑りのスタイルが変わったりするので、滑りを見るだけでお国柄が出ます。ヒルシャーはオーストリアチームというよりは、チームヒルシャーで動いているので、オーストリアチーム独特のベーシックな滑りという印象ではなく、その次元からさらに一歩出ている選手という印象があります。

どちらの滑りもメリット、デメリットがあるわけですが、難易度が上がったり、急斜面が増えると一般的にはパンテューロのようなオーソドックスな滑りをする選手が上位に来るのですが、湯沢以降のレースではそんな印象を受けます。

直線的、オーソドックスな滑り。どちらもメリット・デメリットがある。

この2人と私たちを比較しても無理があるのですが、直線的な滑り、オーソドックスな選手は昔からどこにでもいます。直線的な滑りは、うまくハマれば一気に上位にいけたりしますが、逆に途中棄権のリスクが高まるといったデメリットもあります。かといって、オーソドックスな滑りは安定感はありますが、リスクも少ないので、勝ちにいく滑りとは言いがたいです。ただ、こればかりはレース当日の状況次第でかなり変わるので、

「この滑りが1番速い」

というのは存在しません。

今回は良い映像があったので記事にしてみました。参考になれば幸いです。


PAGE TOP