沢山の航空券、ツアー、宿泊の予約、お土産からガイドブックまで取扱っております。旅行や出張、遠征の際にぜひご利用ください。 ガイ...

アルペンスキーの滑降&スーパー大回転のスタート方法変更へ。将来的にSL&GSの技術系種目にも適用される?

photo credit: aerial cancun beach – Luftbild via photopin (license)

さて、毎年アルペンスキーの重要な案件が出そろうこの時期がまたやってきました。国際スキー連盟の会議が6月5日〜11日にかけて、メキシコのリゾートであるカンクンにてまもなく行なわれます。(上記の写真がカンクンです。)スラローム3本制ルールなど様々なアイディアが出ては実行されてきたのですが、今回最も注目されるのは

「ダウンヒルとスーパー大回転のスタート方式が変更される」

というものです。

このことは2015年11月10日に当ブログにて速報でお伝えしましたが、詳細はまだ決まっていませんでした。

参照:国際スキー連盟(FIS)が賞金金額と高速系種目のスタート順を変更すると発表。SL/GS3本制アルペンルールはいつ適用か?

ですが、今週どんな内容なのかが明らかにされたので、2021年アルペンスキー世界選手権の記事と一緒に書いておこうと思います。

スポンサーリンク

高速系種目のスタート順はこう変わる。理由は視聴率のため。

どんなふうに変わるかと言うと・・・

最後のトレーニングラントップ10の選手はゼッケン1番〜20番の間で好きなスタート順を選択することができる

というものです。(この記事のときはまだ情報が少なかったので、2016年6月12日の記事に正式なルールが掲載されています。)

なぜこのようなルールに変更するか?

今国際スキー連盟は視聴率や放送の問題を抱えています。2年前はレースのトップ3の選手をYouTubeで無料ダイジェスト放送したり、ソーシャルメディアでデータを集めたりなど、様々な工夫を凝らしています。そしてあらゆるデータを集めた結果、

「みんな第1シードしか見ない・・・」

といった問題が発覚したのではないかと思います。(昔からわかってたとは思いますけどね)

まずはこの問題を解決するため、シード選手、つまりトップ10の人気選手のスタート順をバラバラにするという方式を採用するようです。まだ決定ではないので、最終的な発表を待つのみといった状況ですが、スピード系種目(滑降とスーパーG)に関しては適用される可能性が高いでしょう。(須貝龍選手がメインで出場する複合に適用されることは今のところ記載がありません。ダウンヒルとスーパーGだけのようです。)

将来的には回転、大回転にも適用される可能性もある?

個人的には「有り得るかも」というレベルで予想しています。

いわゆる第1シードという概念に捕われると、みんな最初の15人しか見なくなるという問題が出てきます。そこで国際スキー連盟は2年前にスラロームの3本制ルールをヨーロッパカップで実際に試し、このレースには日本からも湯浅直樹選手を筆頭に全日本ナショナルスキーチームメンバーも出場しました。

*参照:FIS新種目はアルペンスキー短距離走!冬季五輪、世界選手権、全日本選手権などに導入されるかも。

ただ、技術系種目の場合スピード系スタートルールを仮に適用した場合、間違いなく多くのトップシードの選手はゼッケン1番〜15番以内を選択することでしょう。当たり前の話ですが、技術系種目はゼッケンが後ろになればなるほどコースが荒れるからです。

ですが、ワールドカップに限って言えばあくまでも「ビジネス」ですので、視聴率を重視するのは当然のこととなります。なので、第1シードという概念を無くし、スラローム3本制のように予選をまずは行い、

「2本目または本戦1本目のスタート順を選ぶことができるようになる」

なーんて話が出ても不思議ではありません。

強い選手と第2シード以降の選手をバラバラにするという案は、視聴率と言う観点から考えれば確かに有効かもしれないわけです。実際、現在1本目トップだった選手は2本目30番から滑っていますから、30番までは強豪選手を分散させて滑らせる仕組みを作り、視聴率を狙うという方法も十分考えられます。(*1)

*1:例えばこんなルールを作れば、強豪選手のスタート順を分散させることができます。例:
第1シード選手:奇数番号から選択
第2シード選手:偶数番号から選択など。こうすればスタート前半に第2シードと第1シード選手を混ぜることができるようになります。あくまでも例え話ですけどね。^^;

しかも、今のルールの問題は

「2本目も後半の10人くらいに視聴率が集中している可能性が高い」

わけです。1本目だと最初の15人くらいでしょうか。そうなってくると、コンテンツとしての価値は

「1本目は最初の15人、2本目は後半の10人くらいに視聴率が集中する」

という結果を招きかねません。(というか実際そうなってると思います。)

なので、国際スキー連盟はスラローム3本制をテストし、

・20秒くらいにコースを短くして、全選手に視聴率が行き渡るようにしたり
・ノックアウト制にし、スリリングにしたりして

テストを重ねてきました。

スピード系種目はどうしても一人当たりの滑走時間が長いので、今回こういった議題が出ましたが、技術系種目も将来的には伝統的な

「第1シード」

という概念が無くなる可能性も十分考えられます。むしろ、F1のようにレースごとに予選を行ない、毎回第1シードが入れ替わるというやり方も面白いかなと個人的に思ったりもします。

マーケットを広げるには白人に勝たせるルールを無くす必要がある。

これはスキーだけでなく、あらゆるスポーツに言えます。サッカーがこれだけ世界的人気スポーツになったのは、

1.どこでも楽しめるスポーツ
2.どの国でもプロ化できるインフラを作ったこと
3.強豪国でさえ、ワールドカップ予選は最初から戦わないといけないようにした。(シード制が存在しない)

というフラットな条件が揃ったからとも言えます。

ですが、テニスやスキーなど「貴族」が主体のスポーツはシード権というものが存在します。特にアルペンスキーに関して言えば、

「ゼッケンが後ろの選手ほど不利な条件で滑る必要があり、強い選手はより強くなりやすい条件が整っている」

とも言えます。

メリットとしてはスター選手を生み出しやすいというのがあり、今の30リバースルールよりも、

「2本目1本目15位の選手が1番スタート」

の80年代、90年代は実際多くのスター選手を生み出しました。イタリアのアルベルト・トンバなんかはその典型でしょう。このルールを維持すれば確かにヨーロッパで人気を維持することは可能ですが、アジアやオセアニア、南米やアフリカまで市場が広がらなく、競技スキー人口が増えないという問題を生むのです。

ただでさえ少子高齢化が進む先進国ですから、メーカーなども含めスキー人口の増加は急務の課題とも言えます。なので、レース内容も見直さないと結果的に視聴率はヨーロッパとアメリカだけに集中するという大きな問題を生むことになります。

オリンピックで貴族家系の役員達は実際サッカーではなく、テニスなどの貴族スポーツしか話さないようですから、そういった価値観も消していかないと結果的に彼らの貴族スポーツの存続すら難しくなってくるのではないかと思います。オリンピックはその典型ですが、今は世界選手権も立候補しない時代に入りつつあるようです。

2021年のアルペンスキー世界選手権の立候補はたった1カ所に・・・

話が長くなりましたが、要はオリンピックにしろ世界選手権にしろ

「ビックイベントのお値段が非常に高くなってきた」

という状況のようです。(ある意味バブルであり、そろそろオリンピックなどのビックスポーツイベントという投資商品のバブルは弾けるのではないかと個人的に予想しています。)

金額のせいなのか定かではありませんが、2016年現在、2021年のアルペンスキー世界選手権の立候補はイタリアのコルティナ・ダン・ペッゾォのみのようです。なので、これもメキシコでの会議で決定すると思われますが、2023年以降のアルペンスキー世界選手権も冬季オリンピック同様、

「誰も立候補しない時代が来る」

なんて、可能性も有り得ます。(2026年冬季オリンピックはスイスと札幌が有力ですが、2030年以降どうなってくるかまだわかりませんが、徐々に立候補都市が減ってるのは事実です)

競合がいなければ価格競争も起きないですから、今後ビックイベントの在り方も見直さないといけないでしょう。税金頼みのオリンピックや各種スポーツイベントはいつまで体力が続くのか私にはわかりませんが、元々貴族が作ったと言われる?税金というシステム(*2)も、そろそろ考え時なのかもしれませんね。

*2:なんかの本に出ていた気がするのですが、私の記憶が間違ってるかもしれません。一応、税金の歴史を書き添えておきます。
税金の歴史の転換点:
1215年:マグナカルタ憲章によって、金持ちは王様から権力を奪った。
1943年:アメリカ政府は従業員の給料から税金を天引きすることを決定。(現行納税法可決)
1986年:アメリカは税制改革法により、弁護士や医師、自営業者などの抜け道が封じられた。(レーガン政権下で行なわれたもの)*最近話題のタックスヘイブンを利用した日本企業問題からもわかるように、金持ちは会社を利用してお金を節税しているわけです。(参照:タックスヘイブン・ケイマン諸島への証券投資、日本から74兆円 10年で2倍に)*スポーツイベントにしろ、橋や建物を建設にするにしろ「企業から納税→政府にお金が入り→金持ちは政府から再びお金を戻す」というカラクリができているような気もします。金持ちは会社だけでなく、政府も利用している・・・そんな気もしますが、実態はどうなんでしょうかね?オリンピックなどの裏話はいっぱいネットに出てきますけど。

結局、政府も税金も金持ちが全てルールを作っている・・・と言っても過言ではない気もします。

世界選手権、オリンピックなど今後どうなっていくのかということにも注目していきたいですね。

ルールに関する確定事項がわかり次第、またこのブログにアップしますので気になる人はブックマークしておくと便利です。