photo credit: Verbier, Valais – Switzerland. via photopin (license)
日本には賞金1000万円のアルペンスキープロレースアルペンロックフェスのような大会はありません。(似たような企画は持ち上がったんですけどね)また、三浦雄一郎さんやトニーザイラーらが出場していた世界プロスキー選手権は見かけなくなりました。
なのでこの記事でも説明した通り、日本のプロスキーヤーは
「実業家+スキー」
というスタイルが今のところ主流という感じです。
この記事の目次
日本のスキー選手収入内訳
実業家の部分の内訳は
・スキースクール
・雑誌などの出演料
・スポンサー契約料
・用具の契約料
・DVDの印税収入
・レッスン料
・キャンプなどからの収入
などが日本では代表例かと思います。
自分がシステムの一部になると練習時間が無くなる
多くのスキー選手が苦労するほとんどの問題は
「社会人になってからガクンと練習時間が減る」
という問題を抱えています。
昼間は職場で働かないといけませんから、練習は夕方からになります。しかも次の日も通常業務が待っていますから、両立するのはなかなか難しいのが現状でしょう。ただ、中にはマラソンの日本代表経験者川内優輝選手は
「バリバリの現役公務員」
ですので、万が一引退しても食べていくことには困らないというメリットがあります。さらに彼は練習内容を工夫して実業団と変わらない、またはそれ以上に足が速いので、
「川内選手のように従来のトレーニングをあえて疑って、違った練習をしていく」
というのも今後増えていくかと思います。
ですが、このページは会社員でも実業団でもなく「プロ」にこだわって書いていくので、一部のアスリートはどのように稼いでるのか説明していきます。
スキーやウィンタースポーツは貴族のスポーツということをまず知ること
15年くらい前に発売され、未だに日本の書店でも山積みに置かれているロングセラー本改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)が一時期ブームと言われるくらい人気を博しました。この本は
「不労所得」
つまり、働かずに収入を得る方法について書かれています。もっと突っ込んだ内容を話すと
・自分がシステムにならず、好きなことに集中できる環境を作るヒントが書かれている本(勤めるまたは自営業者のほとんどはシステムの一部なので、働くという行為をしないといけません)
・スポーツ選手であれば怪我をしている最中、引退後も収入が入ってくる。好きなことに集中していくための仕組みが書いてある本
というような感じのことを書いてます。(ノウハウ本ではないです)
スキーとは元々貴族のスポーツであり、サラリーマンが考えたスポーツではありません。(発祥は紀元前ですが、国際スキー連盟ができたのは冬季五輪が始まる年、1924年に冬季五輪第1回大会のフランスシャモニーで創立されています。この時の画像を見ればわかりますが、みんなジャケット姿で、イギリスの貴族スポーツのような格好してるのがわかるかと思います。アルペンスキーは1936年のガルミッシュパルテンキルヘンから正式種目になっています。本格的にスポーツをする人が本当にごく一部だったことが写真からも何となく伺えます。)
つまり、
「貴族に有利なようにできているスポーツ」
とも言えます。(ちなみに1924年フランスシャモニーの第1回冬季オリンピックでは貴族が考えたボブスレーは正式種目になってますが、リュージュは貴族から生まれたものではないという理由で?、1964年の第9回インスブルック冬季五輪から正式種目となったことをラジオで聞きました。間違っていたらスイマセン。ですがオリンピックそのものが貴族のためのイベントのようなところからスタートしているので、2018年のピョンチャンがお金に苦労しているのは、ヨーロッパの貴族スタイルであるオリンピックが今でも受け継がれているのが1つの原因かもしれません。)
用具の値段を見ればわかると思いますし、本気でスキーをやっている人達は、どれだけお金がかかるかよくわかるかと思います。なので、どのスポーツも貴族生まれが多いので共通しますが、
「貴族が有利なようにできているスポーツなので、ある程度は貴族の稼ぎ方を知る」
ということは日本のスキーヤーがまず知らないといけない知識ではないかと思います。
貴族の稼ぎ方とは?
凄くわかりやすく言うとこういうことです。
庶民:労働収入
貴族:不労所得(印税などの権利収入などを含む)
貴族や王族達は不動産や土地を多く所有しています。そしてそこから土地代や不動産収入を得るので、
「彼らは働かなくても収入を得ることが可能」
なわけです。(土地や家を買っても固定資産税を払うのは王族、つまり政府に払うという昔の名残なのかもしれませんね。つまり国に使用料を払うので、ある意味土地や家はあなたのモノではないのです。)
スペインのプロサッカーチームに「レアルマドリード」というチームがありますが、スペイン語の「レアル」とは王様のことを指します。そして、英語の「リアルエステート」の「リアル」とはスペイン語のレアルから来ており、正式には以下のような意味になります。
英語の辞書:不動産
本当の意味:王の地所
人気映画マトリックスでは「真実は覆い隠されている」というメッセージが出てきますが、この映画の深い意味の1つに
「私たちは本当にマトリックスの世界にいる。つまり誰かが作り上げた世界にいる。」
ことを説明した映画であり、辞書にも教科書にも全てのことが書かれていないのです。このことは学校でも教えてくれません。なぜなら先生方も本当のことを知らない人がほとんどだからです。(大学の歴史学で知った人もいるかと思いますが)
「リアルエステート」という言葉1つとってもこのような状況ですので、
「私たちは普段からいかに偽の情報(常識)に囲まれているか」
をまず理解することから始めないといけません。(教科書問題とかはまさにその典型です。)
世界中のほとんどの人が労働収入になっているのも、
・働かざるもの食うべからず
・良い成績を取って良い大学に行き、良い企業へ就職しなさい
といったアドバイスや情報に振り回された結果、このような人口構成になったのだと思います。でも、これらのアドバイスや情報は元を辿っていくといったい誰が最初に言ったんでしょうかね?ここで重要なのは
「常識とか情報も人工的に作り出されたものもある」
ということです。(「お父さんの夢はいつかマイホーム」というのも、戦後復興のためのアメリカ軍と日本政府が仕掛けたステルスマーケティング(目では見えないマーケティング)というのも聞いたことがあります。)
人は皆「恐怖」を持っていますから、メディアなどで「不景気だ」と言えば、心理的に公務員の受験者数が増えたり、就職を重視する人が増えます。貴族達はこの人間心理をうまく使っているのは間違いないでしょう。
ですが、ほとんどの人はこういうことに気づかず、人生を選択したり、日常生活を送っています。理由は簡単です。
「人間は考えることが最も過酷な労働だから」
であり、面倒なのです。貴族達はこういう人間の特性もよく知っているのです。
どのスポーツもお金を持っているところが強い
資本主義社会とは
「お金を持ったものが強い社会」
になっています。最近人気になっているトマピケティ21世紀の資本では格差社会について書いてますが、この本の鋭いところは
「資本主義社会とは、そもそも最初からカネを持っている人が有利になっている社会構造だった」
ということを突き止めた人なので、格差社会という現代のテーマとも合致し、今世界中で売れているわけです。
このことはプロサッカーチームや日本のプロスポーツ事情を見ればわかるでしょう。サッカーや野球がこれだけ日本で強いのは
「プロ化したから」
です。
なので、日本のスキー選手も「貴族の発想」を持たないと、いつまで経っても
「良くてワールドカップは第1シード日本人1人」
という状況が今後も続くのではないかと私は危機感を持っています。
スポーツの意味は暇つぶしという意味。時間がないとできないこと
ヨーロッパのチャンネル「ユーロスポーツ」ではチェスも確かあったはずです。つまり「スポーツ」とは暇つぶしとか娯楽という意味があります。どのスポーツも時間とお金に余裕のある貴族から生まれたというのは、sportという意味から想像できるかと思います。
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