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インスペクションのやり方とコツ。アルペンスキーの順位は「技術+体力+映像記憶能力=タイム」で決まる。

photo credit: lwpkommunikacio Eurosport – Bode Miller (Discovery VR) via photopin (license)

映像記憶という言葉をご存知でしょうか?よくテレビなんかでたまにやっているのですが、

・ヘリコプターから街の景色を見て、記憶だけで絵を書く人
・本をまるごと記憶する人
・クイズ番組で優勝する高校生(「見ただけで記憶する」という学生さんもいました。)

こういう人のことを意味するそうで、こういった人達は映像記憶能力が凄く高いのだそうです。

このような能力は本来子供の頃に持っているそうですが、思春期までに消滅する能力とも言われ、元々は人間本来に備わっているようです。ですが、ほとんどの人はこの能力が消えてしまい、ごく一握りの大人だけこの能力を維持・向上させるそうです。今回はこの記憶とインスペクションの仕方について書いてみます。

もしゼッケンが後ろで伸び悩んでいて、技術も体力も未熟だと思うのであれば、映像記憶能力でタイムを縮めてみてはいかがでしょうか?上位にいけなくとも、少し順位が上がるかもしれません。トップ争いをしている選手もここで差がつくかもしれません。

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みんなインスペクションのやり方ってどうやってるの?

全日本ナショナルスキーチームでもインスペクションの仕方は分かれます。何かの映像か雑誌で見た記憶になりますが、多くの選手達は大きく分けて以下のようにインスペクションをするようです。

1.景色で覚える
2.本数で覚える。(例:スタートから5旗門はノーマルセット→ストレート→3旗門ノーマル→ヘアピンといった覚え方です。)

大きく分けるとこの2つに分類できます。

個人的には2番で、本数をメインに記憶してセットで景色も覚えました。具体的にはサッカーのフォーメーションのように

5→ストレート→3→ヘアピン→急斜面8→ストレート→6→ゴール

といった具合です。最低でもノーマルセット(ごく普通のインターバルセット)は全て数字で把握してしまうので、5・3・8・6といった感じで覚えるのが私のやり方でした。こうすることで「あ、次引っかけ来るな」というのが頭で認識されるので、きちんとポールの上から入ることができますし、万が一失敗してもリカバリーでミスを最小限に留めることもできます。

このように私はなるべく数字は簡略化して、覚えやすいようにします。そして記憶した映像とミックスさせることで、スタート前に何度も頭の中で滑り込みます。

滑る回数はだいたい10〜30回、記憶の中で滑り、意識してフリースキーをしていきます。

映像記憶力を上げる方法

この辺は専門外なので、検索で映像記憶と検索すると様々な方法が出てくるので、こちらを参照してください。

インスペクションをおろそかにする選手が多いかも

アルペンスキーというスポーツは特殊で、

「身体能力+技術力+記憶力=タイム」

というちょっと変わったスポーツです。

スタート前に旗門を記憶してから一発勝負で滑るというスポーツはなかなかないでしょう。ある意味、

「半分体力、半分能力」

で決まるスポーツと言っても過言ではありません。

簡単な斜面ならまだしも、斜面変化が多いスキー場だと必ず癖のあるセットを立ててくるのがセッターの常套手段です。ある意味、「セッターとの戦い」というのがアルペンスキーの醍醐味の1つでもあるのですが、まんまとセッターのトリックに引っかかる選手も多いです。これはレベルを問わず起きる代表的なミスの1つでしょう。

私も何度か引っかかったことがありますが、いつも時間ギリギリまで記憶する時間に当ててるので、完走率は高い方でした。(完走率が高ければ良いとも限りませんが、完走しないとポイントが取れません)

ハイレベルにも関わらず驚異的な完走率を誇るW杯選手達から学ぶこと

90年台〜2000年台に活躍したフランスのスラローマーにセバスチャン・アミエという選手がいました。彼は優勝回数こそ少ないですが、途中棄権がワールドカップ史上少ない選手の1人として有名です。

*セバスチャン・アミエの戦歴はこちら(90年代半ばに注目してください)

しかも常に入賞するという独特のスキースタイルはメディアからも注目されました。また、日本が誇るトップスキーヤーの1人、木村公宣さんも完走率の高い選手の1人です。

*木村公宣さんの戦歴はこちら(90年代半ばから長野五輪当たりまで注目してください。)

また2014年ソチ五輪以降、男子回転など上位の選手はほとんど表彰台の顔ぶれが同じになってしまいましたが、彼らの凄いところは

・スピードと
・完走率

が飛び抜けている点も挙げられます。

湯浅直樹選手も2016−2017シーズンにジャンプアップし、ベテランになっても復活できることを証明しましたが、それでもヒルシャー、クリストファーセンの完成度が高すぎるので、もはやスポーツの域を超え、芸術と言っても過言ではないくらい完璧な滑りをしてきます。特にクリストファーセンは長い足を利用し、上体はインでも、足が外側にあるので、途中棄権をしにくい滑り方になっています。

日本でも佐々木明さんが振り子のような滑りになって、途中棄権しにくい滑りを「佐々木明の流儀」で語っており、後に複数回の表彰台を記録しましたが、このように世界最高峰のW杯でも表彰台に入るには完走率を高めることが絶対条件となってしまっています。

完走率を上げる方法としては

・インスペクション能力を高める
・普段の練習でポールから抜けないようにする(すぐに諦めないこと)
・リカバリー能力の向上(バランス能力を含む)

この3つの要因が大きいと考えます。

特にスタートが早い人ほど、すぐにリフトでスタート地点に戻らないと行けないので、より短時間に記憶する力が必要になるでしょう。

記憶には個人差があり、それぞれのスタイルがあります。自分にあったインスペクションの方法を見つけ、よりリアルに記憶する能力を向上させるようにトレーニングすることも重要でしょう。

おそらくほとんどの指導者、選手は技術とトレーニングの2つは学ぶと思います。3つ目の要素「インスペクション」は意外と抜け落ちていると思うので、各自で勉強して差を付けてみてはいかがでしょうか?

photo credit: ProPress.ch – Luca Pedroni via photopin cc