バックカントリースキー・スノーボード、冬山遭難の危険性を動画で。本やGPS、防寒グッズ、食料などを用意して雪山に行きましょう。

2015年1月20日

photo credit: The National Guard via photopin cc

バックカントリーで問題なのは

「冬山に無知または鈍感なスキーヤー、スノーボーダーの増加」

ではないかと思います。適切なコース、天気の良い日は逆に楽しいスポーツです。ですが、テレビで連日のように報道され、危険性が高いのも事実です。今日は改めてバックカントリーの問題点や改善点について書いてみようと思います。まずは動画をご覧ください。

*私もゲレンデ内で経験しましたが、実際にこういったことが雪山で起こるのです。映像の方々はきちんと装備してますが、軽装でいくと初心者、上級者関係なく死ぬ人は死にます。登山と同じですから最低限「フル装備」でいくべきです。


先日、請求額は100万円以上。バックカントリーなどスキー場周辺の冬山で遭難した場合の捜索費用金額まとめという記事が沢山の人に読まれましたが、2週間経ってまた亡くなった方が出てきました。

北アルプスの山スキー遭難 3人発見できず
新潟・妙高市のスキー場で2件の遭難、2人死亡

という最悪の事態になっています。一方で、動画などを見るとバックカントリーの大会映像が出ていたり、某飲料メーカーの大会が取り上げられたりと人気は右肩上がりです。

ですが、

「これほど短期間で死者が出るスポーツは他にないのでは?」

と私は思います。これを

「安全」

と言えるのでしょうか?

滑る方も滑る方で、なぜ天候や雪質を見て

「危険」

と判断できないのでしょうか?あまりにもリスクに対する無関心というか、自己中心的なスキーヤーやスノーボーダーが増えた気がします。

このままの方向性でバックカントリーが進んでいいのか?と思うのは私だけではないでしょう。ガイドをやっている人、バックカントリーを愛する人やこのスポーツで生計を立てている人はなおさら強く感じているはずです。

「軽い気持ちで滑走禁止区域を滑って遭難した場合、あなただけでなく、バックカントリーで食べている人達にもダメージがいく」

ということを肝に銘じてほしいと思います。

雑誌や動画などの演出はどうなのか?スキー、スノーボード人口増やす方向性を間違っていないか?

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photo credit: John Lemieux via photopin cc

まず、ここまでバックカントリーが流行った理由としては

1.雑誌の影響
2.動画の影響

が大きいのではないかと思います。

私も立ち読みでチラっとは見ますが、バックカントリー専門のスキーヤーではなくとも、元選手が深雪を滑るなど、ここ最近普通のスキー雑誌などでもバックカントリーの写真を多数見かけるようになりました。なぜここまで取り上げられるのか?いくつか理由があるとは思いますが、理由の1つとして考えられるのは

「スキー場の集客手段でバックカントリーを取り入れるところが多くなったこと」

ではないでしょうか?

スキー場や業界全体も生き残りに必死ですから、あの手この手であらゆるマテリアルがここ20年で登場しました。また、最近はスキー場のゲレンデに圧雪車をかけず、天然の状態のままにする「非圧雪ゲレンデ」を用意するスキー場も増えてきており、明らかにスキービジネス、スノーボードビジネスにも影響しています。スキー場側としても圧雪車をかける手間が減る分、経費もかからずバックカントリーを楽しむスキーヤーやスノーボーダーが来てくれるので一石二鳥というわけです。

またこのように人気になると当然、雑誌や用具も売れていきますし、商品数もここ10年で増えた気もします。雑誌もバックカントリーのページ数を増やせば売れる?と判断しているのかわかりませんが、露出度が増えています。ですが、一方で

「死者数も比例して伸びている」

という状況です。バブル期にスキー人口が増えましたが、けが人は増えても、ここまでハイペースで死者が出ることはなかったでしょう。

明らかに「異常」な事態ではないかと思います。

スキー場、雑誌やDVDなどは1番最初に危険性を訴えるべきでは?

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photo credit: 3,000,000+ views Thank You! via photopin cc
「バックカントリーが危険なのではない。滑っている連中が悪いのだ」

こんな声も聞こえてきそうですが、さすがにこのペースですとマスコミの餌食になるのは必須で、ますます

「バックカントリーのイメージダウン」

になるでしょう。

これ以上死者を出したくないのであれば、

「スキー場、雑誌、DVD、メーカー全てでこの問題に立ち向かうべき」

ではないかと思います。

そうしないと、遭難者を助けにいく自衛隊や消防、警察、民間の捜索隊にも二次災害が起きる可能性もあります。また、残された遺族には莫大な請求書がいく可能性もあります。

バックカントリー、コース外を滑ることは何を意味するのか?

これを雑誌やメディア、メーカー、スキー場が理解させない限り、あちこちで事故が多発していくでしょう。

「ちゃんと危険性書いてるよ!」

と言われそうですが、これだけ死者数が出ているということは、少なくとも

「読まれていない」

という可能性は高いですし、雑誌をパっと見た限り、

・カッコいい写真
・綺麗な景色の写真

のほうが圧倒的に多いでしょう。当ブログのフェイスブックのデータにもありますが、

「文字は動画の10分の1しか見られない」

ので、効果を計りにくい雑誌や本で危険性を訴えても限界があります。おそらくスキー場側も今必死で対策をしていると思いますが、

「脳が興奮状態である以上、滑走禁止区域マークを沢山設置しても、軽い気持ちでどんどん入っていくはずです」

せめて、映画やドラマのレンタルのように

「映像を見せる前に危険性を訴える映像」

は最初に持っていくべきではないかと思います。

自動車レベルの安全基準が必要かも

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photo credit: cliff1066™ via photopin cc

バックカントリーに限らず

「利用者人口が増えれば、死者数も比例して伸びる」

のは致し方ない部分もあります。登山も今同じような状況です。ですが、自動車業界はハイテク化、警察の安全運転の推進など、官民一体となって必死に取り組むことで、死者数の減少が進んでいます。

バックカントリーは今地方自治体にとっても大きな問題で、場合によってはスキー場が遺族から訴えられる可能性もあります。ですが、スキー場やメディアができることは限られるので、

「改めて各自で必要な持ち物を確認してください。」

そして、本が書店で販売されているので、必ずガイドなどに目を通して

「バックカントリーの常識を持ってから」

雪山を楽しんでください。でないと、バックカントリー愛好家の人達も迷惑してしまいます。

これ以上死者が出るなら、バックカントリー事態が禁止になっていくと思う

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Photo:https://www.flickr.com/photos/26786061@N00/8543297305/

登山と一緒で、法律で規制するところまでは持っていけないと思います。最悪の場合、スキー場はリスクを避けたいので、バックカントリー自体が禁止になってしまう可能性もあります。なので、エベレストではないですが、それなりに入山規制を設けるべきではないかと思いますし、以下のような方法でバックカントリーの安全性や保障を整備することで、リスクを最小限にできるのではないかと思います。

1.バックカントリー専用の「保険」がついたリフト券を販売する。中に信号などを埋め込めば捜索が早くなるはず。買わない人は自腹で負担させるべきであり、リフト券の裏に大きく自己負担と危険性をアピールし、裁判沙汰を避ける工夫をする。(英語版なども必要)保険があれば遺族への請求は0か、かなり減るはず。(実際に山の保険もあるみたいです。)
2.あまりにも軽装なスキーヤー、スノーボーダーが多いようなので、至る所にデカい看板を設置する。
3.監視カメラを増やし、滑走区域外を滑っているスキーヤーやスノーボーダーがいたらスピーカーで警告する。
4.危険な区域は徹底的に固い柵を設置する。
5.バックカントリーグッズを現地で販売する

などの工夫は必要かと思います。

「完璧を目指せばコストは増大する」

ので、結果的には

「自己責任」

でまかり通っていくような気もしますが、登山同様、ここまで大きくなると、ある程度システムを構築しておく必要性があるのではないかというのが私個人の意見です。

難しい問題ですけどね。


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